プロテインの注意点、デメリットを把握しておこう!

20歳から徐々に始まる筋肉の衰退を止め、筋肉を増加させるのに有効な筋トレ。そしてその効果を後押しして、結果を出してくれるプロテイン。筋トレをする人には欠かせないパートナーともいえます。

でも、手放しに讃えてばかりではいけません。ちゃんとデメリットもお伝えしておかなければいけません。

デメリットもちゃんと理解した上で、上手に利用しましょう。

1,       プロテインを飲むと太る?

筋トレをする人がプロテインを飲むと筋肉が成長します。これは事実ですね。

では、運動を何もしない人でもプロテインを摂取すれば筋肉モリモリになれるか?というと、これはあり得ません。

運動も何もしてない人が余計なタンパク質を摂ってしまうと、筋合成に使用されなかった余分なタンパク質は脂肪に変換され、肥満の原因にもなってしまいます。

また、プロテイン自体にもごく少量の糖質や脂質が含まれているため、これらの過剰摂取により太ってしまうことも考えられます。

ここでもう一度、一日のタンパク質必要量(厚生労働省データ)を確認しておきましょう。

運動をしていない普通の成人が一日に必要とするタンパク質量は「体重1kgにつき1g」、

ウォーキングやフィットネスをしている人は「体重1kgにつき1.5g」、

アスリートや筋肉を増強したい人は「体重1kgにつき2g」です。

運動していない人が、アスリートや筋力アップに努めている人と同量のタンパク質を摂取すれば、そりゃ太るよね、というものですね。

ビタミンにしてもプロテインにしても過剰摂取はかえって逆効果です。自分の運動量を見極め、適正な量を摂取していれば太るということはありません。

なお、一日あたりの必要量には食事で摂取するタンパク質量も含まれていますので、タンパク質が豊富な食事をしている場合は、それを差し引いて考えなければならないので注意が必要です。

2,プロテインを飲むと下痢になる?

プロテインのうち、ホエイプロテインとカゼインプロテインは牛乳からつくられた動物性タンパク質パウダーですが、これを飲むと下痢をしやすくなる人は、確かにいます。

これは「乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう)」が原因です。

乳糖不耐症というとなんだか大変な病気と誤解してしまいますが、「乳糖」という牛乳や乳製品に含まれる糖分を消化吸収できない体質のことをいいます。

ホエイプロテインは牛乳からつくられているため乳糖も含まれています。

この体質の人が乳糖を体内に入れてしまうと、消化吸収できずに下痢や腹痛を起こしてしまうのです。

でも、世の中には牛乳や乳製品を食しても下痢や腹痛を起こさない人も存在します。なぜ、平気な人と乳糖不耐症の人とに分かれるのでしょうか?

これは「ラクターゼ」という消化酵素を持っているか否か、の差です。

生まれつきラクターゼを持っている人は牛乳やプロテインを飲んでも平気です。一方、乳糖不耐症の人はラクターゼを持っていませんからお腹を壊してしまうのです。

なお、このラクターゼを持って生まれるか否かは遺伝的要素が大きく、今さらどうにかなるものではありません。

ってことは、牛乳を飲んで下痢をしたことがある人はプロテインを飲めないってことになるの!?と思われるかもしれませんが、ご安心を。

ホエイプロテインにも製法により4つの種類がありますが、そのうちのWPI製法(whey protein isorate)ならば乳糖や脂質を取り除いてつくられるので、乳糖不耐症の人も安心して飲めるプロテインとなります。

また、大豆からつくられるソイプロテインも有力候補になります。

3,プロテインを飲むと肝臓や腎臓の負担になる?

プロテインを飲むと肝臓や腎臓に負担がかかるのでは?という話もよく聞くと思います。

プロテインが肝臓や腎臓に負担をかける可能性がある、というのは以下のメカニズムから来ることなのです。

言うまでもなく、タンパク質はカラダを形成する大切な栄養素です。タンパク質が体内に取り込まれると、いろいろなアミノ酸に分解されますが、そのときアンモニアが発生します。

アンモニアといえば有害物質ですが、アンモニアは血流に乗って肝臓に運ばれ、尿素という無害な物質に変換されます。これを尿素サイクルといいます。

肝臓で生成された尿素は腎臓で尿中に排出され、体外へと排泄されていきます。

この時、プロテインで一度に大量のタンパク質を補給してしまった場合、アミノ酸への分解時に大量のアンモニアが発生することになります。

その量が肝臓の処理能力を超えてしまった場合、大きな負担が肝臓にかかってしまいます。肝臓が疲弊するとカラダが疲れやすくなったり、汗や尿がアンモニア臭くなったりします。

また、肝臓が疲弊すると、腎臓にまで影響が出てきます。

肝臓で処理できなかったアンモニアが腎臓にもたらされた場合、腎臓はアンモニアを尿素へと変換する作業を強いられます。

腎臓は本来の仕事以外にもアンモニアの分解作業も担わされるため、この状態が続くと結果的に疲弊していきます。

腎臓が疲弊すると、カラダがだるく感じ、むくみや頻尿などの症状が出てきます。

体内で一度に処理できるタンパク質量は40gまで、と言われています。それ以上のタンパク質を補給しても無駄になるばかりか、肝臓や腎臓を痛めつける結果になります。

プロテインを補給する場合は一度に大量摂取するのではなく、数回にわけて摂取するようにしてください。

なお、肝臓や腎臓に持病をお持ちの方がプロテインを摂取する場合は、医者へ相談されたほうが無難です。

4,プロテインを飲むと体臭が臭きつくなる?

上記でご説明しましたが、肝臓や腎臓の処理能力を超える大量のタンパク質を体内に入れた場合、アンモニアを尿素に変換しきれず、汗や尿へと排出されてしまうので体臭もきつくなります。

5,まとめ

プロテイン摂取によるデメリットは以下のようにまとめられます。

プロテインを飲むと太る?

<回答>運動していない人が大量に摂取すると太る可能性は高い。

<対応>運動量にあわせ、適正量を摂取すれば問題なし。

 

プロテインを飲むと下痢になる?

<回答>乳糖不耐症の人がホエイ及びカゼインプロテインを飲むとなる場合がある。

<対応>WPI製法のホエイプロテイン、またはソイプロテインならば問題なし。

 

プロテインを飲むと肝臓や腎臓の負担になる?

<回答>肝臓の処理能力を超えるような大量のタンパク質を一気に摂取すると、腎臓とともに負担を掛けることになる。

<対応>一度に大量のプロテインを補給するのではなく、数回に分けて摂取する。

肝臓や腎臓に持病があれば、医師に相談する。

 

プロテインを飲むと体臭が臭くなる?

<回答>肝臓の処理能力を超えるような大量のタンパク質を一気に摂取すると、腎臓とともに負担を掛け、結果的に体臭がきつくなる。

<対応>一度に大量のプロテインを補給するのではなく、数回に分けて摂取する。

 

結論。プロテインを摂取するときは、以下を守ること。

★一度に大量のプロテインを摂取しないこと(40g以下/回)

★運動量にあわせて適正量を摂取すること。

★肝臓や腎臓に持病があれば医師に相談すること。