筋トレの効果が出ない時、振り返るべき4つのポイント

皆さん!マッスル・ボディを目指して、日々の筋トレに励んでいますか? 

でも、中にはこんな悩みを抱いている方も多いハズ。

「あれだけトレーニングをやっているのに、思ったように筋肉が付かなくって・・・」とか、

「毎日コツコツやっているんだけど、いまいち効果が見えないんだよな・・・」とか・・・。

確かに一念発起して「マッスル・ボディを手に入れる!」と意気込んだとしても1ヶ月そこらでいきなり効果が出てくるものではありません。

でも、半年や1年間もやっているのに、なかなか納得の行く効果が出てこないのでは、確かにモチベーションが下がるだけですね。

そんなあなたに、もう一度振り返るべきポイントを紹介します。

何かが違うはず、何かが足りないはず、です。

そんな「何か」に気づいていただければ幸いです。

1,タンパク質は足りているか?

筋肉が成長するためには「タンパク質」が必要です。

トレーニングによって筋繊維は微細な破壊作用を受けます。筋繊維を回復させるためにカラダの中のタンパク質はアミノ酸に分解され、筋繊維の修復に使われます。

そして、以前より筋繊維が少し大きくなるということが「超回復理論」です。

※※※超回復理論はこちらで詳しく解説しています

ところが「タンパク質」が不足していると、超回復に使われるべきエネルギーの不足となり筋肉が大きくなりません。

タンパク質が不足すると、不足するエネルギーを補うために、筋肉が分解されてしまいます。そうなるともはや、何をしているのかわからない残念な結果になります。

筋トレをして結果が出ない時、まずはタンパク質不足を疑ってみるべきです。

運動していない普通の成人が一日に必要なタンパク質量は「体重1kgあたり1g」と言われ、体重70kgの人は70gを摂取すれば十分です。

ウォーキングやフィットネスなど軽い運動をしている人は「体重1kgあたり1.5g」つまり体重70kgの人は105g必要となります。

ところが激しい運動をするアスリートや筋肉量を増やしたいという人は「体重1kgあたり2g」、つまり体重70kgの人であれば一日に140gものタンパク質を摂取する必要があります

タンパク質が消化、吸収され、アミノ酸となり血中へ届くまでの時間を考慮すると、3時間に1回のペースでタンパク質を摂取することが理想です。

しかし、タンパク質が豊富に含まれる肉類や魚肉、卵などを3時間に1回のペースで摂ることは事実上不可能ですね。

そこでお勧めするのは「プロテイン」によるタンパク質補給です。

プロテインでの補給なら、粉末の製品を水や牛乳で溶かしササッと飲めますから手軽で確実なタンパク質補給が可能です。

プロテインもいくつか種類がありますが、筋トレ後の1時間以内のゴールデンタイムに飲むなら吸収の速い「ホエイ・プロテイン」、就寝時にゆっくり補給したいなら吸収がゆっくりな「カゼイン・プロテイン」がお勧めです。

※※※プロテインの詳細はこちら

筆者の体験談ですが、自己流で筋力トレーニングを開始し2年程度経過してもボディは「う~ん、少しは変化あるかな?」程度のものでしたが、プロテインを飲みだして一気に筋肉の隆起が大きくなって来ました。

筋トレの内容は基本的には変わっていませんでしたから、プロテイン補給の効果が大きかったと確信しています。

筋トレとプロテイン摂取はマッスル・ボデイへ進むための両輪です。

2,正しいフォームでトレーニングしているか?

筋トレをスタートしたばかりの初心者が陥りやすい「罠」といえるのが、以下の点ではないでしょうか。

 

・回数ばかりに気を取られ、正しいフォームが出来ていない。

・負荷ばかりに気を取られ、正しいフォームが出来ていない。

 

回数が多ければ多いほど効果があるはずだ!とばかりに、反動や勢いに乗せて筋トレをしていませんか?

とにかく高い負荷を掛ければ筋肉は鍛えられる、と思っていませんか?

例えば、腕立て伏せ。

「今日は100回達成!明日は110回だ!」と、回数を多くこなすことは確かに達成感を満たしてくれる大きな要因ではありますが、適正なフォームが出来てないと効果は半減します。

初心者に多い間違いは腕の曲げ方や胸をおろす位置などが不十分な場合が多いようです。

回数をこなすために、腕の曲げ方を中途半端にしているわけです。それではせっかくの筋トレが無駄になってしまいます。

回数は少なくても、正しいフォームで、適切な負荷を筋肉にかけることで、大きな効果がでてきます。

3,超回復を意識した休息を摂っているか

筋トレは筋肉を疲労させます。

その時、筋肉の筋繊維は微細なレベルではありますが、破損しています。そして十分なタンパク質があれば、破損前よりも大きな筋肉にしようという働きが生じます。「超回復」ですね。

しかし、筋肉はその部位によって「超回復時間」が違います。

例えば「腹筋」は24時間ですが、「大胸筋」は48時間となっており、「大腿筋」72時間と言われています。

前述の「腕立て伏せ」は正しいフォームで行えば「大胸筋」に効果があるトレーニングですが、超回復理論からすると、48時間は大胸筋に休息を与えなければなりません。

そして大胸筋はトレーニングの48時間後に「超回復のピーク」を迎えます。

このピークの時に、更に大胸筋を鍛えれば筋トレの効果は増大しますが、このピークを過ぎてしまうと筋トレ効果は薄れてしまいます。

筋トレ初心者の場合は、トレーニング回数は多いほうが良いとの思い違いからか、超回復時間に達しないままトレーニングを続ける人が多いようです。

その場合、傷ついた筋肉は回復する前にまた更に傷つくわけですから、筋肉痛が増すだけで、最悪、本当に筋肉を破損してしまいます。

また、超回復時間を大幅に過ぎてからのトレーニングは効率が悪いということも憶えておきましょう。

つまり、筋トレは超回復時間を考慮してメニューを組み立てる必要があります。

4、 負荷は低くすぎないか?

人間の筋肉には負荷に対する適応能力があります。

つまり、トレーニングを積み重ねていくと、筋肉は与えられた負荷に適応し筋力をアップさせます。そうなると同じ負荷ではトレーニングを続けても効果はあがりません。

そこで効果を上げるためには負荷を少しずつ増加させていかなければなりません。

これを「過負荷の法則」または「オーバーロードの原則」といいます。

トレーニングをするにあたっては、この「過負荷の法則」を常に念頭に置いて、少しずつ上を目指すようにしましょう。

5,まとめ

コツコツとトレーニングを続けているのになかなか目に見える効果が出ないとお嘆きのあなたに、振り返って見てもらいたい4つのポイントとは・・・。

★しっかりタンパク質を摂ろう!タンパク質の補給はプロテインが手軽で確実

★正しいフォームでトレーニングしよう!

★超回復を意識したトレーニングスケジュールを立てよう!

★「過負荷の法則」に則って、負荷を少しずつ上げていこう!

この4つのポイントをしっかり抑えて、マッスル・ボディを目指しましょう!

筋トレとポジティブホルモン、「テストステロン」との深い関係

皆さん!マッスル・ボディを目指して、日々の筋トレに励んでいますか?

今回は筋トレや筋肉とは切っても切れない、深~い関係を持つ「テストステロン」というホルモンについて解説します。

筋トレを行うことで「テストステロン」というホルモンが分泌されますが、実はこの「テストステロン」、凄いんです。

筋肉増強にも効きますが、やる気や元気ももたらしてくれる、まさにポジティブ・ホルモンなのです。

1,人生をポジティブにしてくれるホルモン、「テストステロン」とは

テストステロンとは男性ホルモンの90%を占める物質で、筋肉を太くして男らしいカラダを作る働きを担っており、主に男性の精巣から分泌されます。

とはいえ、女性の卵巣からも分泌されますが、その量はごく僅かです。

テストステロンは筋肉の成長を促し、逞しいカラダを作り上げ、男性が男性らしく生きるのに必要な要素を補ってくれる大事なホルモンです。

テストステロンの分泌は思春期から大人になるまでに急上昇し、20代でピークを迎え、それ以降はどんどん低下して行きます。

ピークを過ぎ、テストステロンの分泌量が低下すると、筋肉量も減少していきます。するとカラダを維持するための基礎代謝も徐々に低下します。

加齢とともに運動量も減ってきますので、食事で得たカロリーは消費されず、脂肪となって蓄えられます。そしてお腹周りに脂肪が蓄積され、メタボリック症候群へと向かっていく、というのがお決まりのコースですね。

マッスル・ボディを目指す男性にとって、このテストステロンの減少を食い止めることが超重要なテーマになるのです。

2、テストステロンの効果

テストステロンの具体的な効果を見ていきましょう。

<テストステロンの効用①・・・筋肉を増強させる>

テストステロンは筋繊維に存在する「筋サテライト細胞」を活性化し、「筋サテライト細胞」は筋繊維の細胞核を増加させタンパク質の合成反応を活発化し、筋繊維を太くします。

テストステロンが筋サテライト細胞の活動を活発化させ、筋肉を肥大させるのです。

また、驚くべきことにテストステロンには筋肉の分解を防ぐ効果もあります。テストステロンは細胞の自然死=分解を抑制する効果も期待されているのです。

つまりテストステロンがしっかりカラダの中にあれば、筋肉の分解作用よりも合成作用が上回り、いつまでも逞しい、いや、ますます逞しいカラダを作ることができるのです。

テストステロンは本来、カラダの中でつくられるものですが、年齢とともに減少していきます。

しかし、ある方法を使えば、そのテストステロンの分泌を増やすことが可能になります。

その方法とは、実は「筋トレ」なのです。

テストステロンは天然の筋肉増強剤と呼ばれるほど筋肉合成作用があるのですが、なんと筋トレをすることで自らテストステロンを分泌させることもできるのです。

筋トレをするとテストステロンが分泌され、筋肉が合成されて筋肉量がアップする。結果がでると筋トレが楽しくなり、筋トレに励み、テストステロンがさらに分泌されマッスルボディに向かって正の連鎖反応が始まります。

恐るべし、筋トレ!

<テストステロンの効用②・・・やる気を向上させる>

テストステロンの及ぼす効果は肉体面だけではありません。

テストステロンは「ドーパミン」という物質の分泌を促す効果を持っています。ドーパミンはヒトの脳に「やる気」や「意欲」などポジティブな感情を出すように指示する、アクティブな人生を送るために必要な物質です。

筋トレをするとテストステロンが分泌され、「やる気」が出る。さらに筋トレに積極的になり、モチベーションがさらに高まる。そうなると仕事もアクティブになり、人生も良い方向に向いていく。

まさにスパイラル・アップです。

テストステロンの影響は肉体面と精神面、どちらにも及ぶのです。

最近、仕事でも普段の生活でもやる気がでないと悩んでいるヒトは筋トレをすると人生が変わるかもしれません。

恐るべし!筋トレ!!

<テストステロンの効用③・・・記憶力や集中力を高める>

テストステロンが多く分泌されると脳の働きも促進されます。すると自然に記憶力が高まり、集中力も上昇してきます。

筋トレをすることでテストステロンが分泌され、脳も活性化し、記憶力や集中力が高まる。

恐るべし!筋トレ!!!

3,テストステロンの分泌を増やす方法

肉体的にも精神的にも素晴らしい効果を発揮するホルモン、テストステロン。ではどうやったら分泌を促す事ができるのでしょうか。

<テストステロンを増やす方法①・・・筋トレ>

いわずもがな、ですが、その第一の方法は「筋トレ」です。

ただし、単純に筋トレしてもいいわけではありません。

息が切れるくらいの全力トレーニングを、なるべく短時間でおこなうことがテストステロンを効果的に分泌させる方法です。

また、なるべく大きな筋肉を鍛えたほうがたくさんのテストステロンが分泌されます。

人間の筋肉は70%が下半身に存在します。であるならば、下半身を重点的に鍛えると効果的です。

たとえば、スクワット。太ももにある大腿筋はカラダの中でもひときわ大きな筋肉であり、鍛えれば多くのテストステロンを分泌してくれます。

また、上半身の大胸筋も大きな筋肉です。ベンチ・プレスなど大胸筋に効くメニューもお勧めです。

筋肉への負荷が大きければ大きいほど多くのテストステロンが分泌されますので、高負荷のトレーニングをお勧めします。

ただし、長過ぎるトレーニングは効果を低減させます。トレーニング時間が長すぎると、テストステロンを低下させる「コルチゾール」というホルモンも分泌されます。この「コルチゾール」には筋組織の分解促進の作用もあるため、せっかくの筋トレが逆効果になる可能性もありますので注意が必要ですね。

<テストステロンを増やす方法②・・・ビタミンDと亜鉛を摂取する>

テストステロンの分泌に深い関わりのある栄養素として、「ビタミンD」と「亜鉛」が挙げられます。

「ビタミンD」にはテストステロンを増やす働きがあり、筋タンパクの合成を促してくれます。

魚類(サケ、サンマ、イワシなど)やきのこ類(干し椎茸、キクラゲなど)、卵黄に多く含まれます。

一方、「亜鉛」はタンパク質の合成などさまざまな生体内の反応に関与する重要なミネラルですが、食事による摂取でなければ補うことが出来ない「必須ミネラル」の一つです。

「亜鉛」の摂取はテストステロンの分泌増大はもちろん、免疫機能や男性機能の向上といった健康なカラダの維持に絶対必用な栄養素です。

牡蠣(カキ)や胡麻、牛肩肉などに多く含まれています。

<テストステロンを増やす方法③・・・質の高い睡眠をとる>

寝具にこだわり、熟睡できるような環境を整えることで質の良い睡眠を摂ることも重要です。

22時から午前2時はホルモンの分泌が最大になる「ホルモン分泌のゴールデンタイム」と言われており、この時間に睡眠が取れているかどうかがテストステロンの分泌にも大きく影響します。

睡眠時間の目安は7時間と言われています。

<テストステロンを増やす方法④・・・カフェインを摂る>

カフェインはテストステロンの分泌を高める効果を持っています。

カフェインをコーヒーで摂取する場合はブラックコーヒーを選択すれば余分な糖の摂取を避けることができます。

筋トレ後1時間以内の「筋肥大のゴールデンタイム」にブラックコーヒーを混ぜたプロテインを飲むと、まさに一石二鳥!

プロテインとカフェインの掛け合わせは筋肥大に大きな効果をもたらしてくれます。

<テストステロンを増やす方法⑤・・・アルコールの摂取量を控える>

アルコール好きの方には残念な報告ですが、アルコールの摂取によりテストステロンの分泌量が減少するという研究があります。

筋トレやプロテインを摂取すると、筋肉の合成を促すmTOR(タンパク質キナーゼ)と呼ばれるシグナル伝達経路が活発になりますが、アルコールを摂取することで、mTORの活動が低下するという報告もあります。

また、アルコール摂取によって分泌される「コルチゾール」というホルモンは、エネルギー源である「糖」を生成するために筋肉の分解を促進する働きも持っています。

とはいえ、問題は摂取量の過多、です。

アルコールも少量であれば筋合成に影響を与えない、という研究結果もあります。

過度な飲酒はもちろんマイナス面が大きいでしょうが、適度なアルコールはストレスの解消にも繋がりますので、賢く、軽く飲むことが重要だと言えます。

4,まとめ

★     テストステロンは男性にとって必要不可欠なホルモンだが、20歳をピークに減り続ける

★     テストステロンは筋肉合成を促し、筋肥大への扉を開いてくれる

★     テストステロンはやる気を出させてくれるポジティブ・ホルモンである

★     テストステロンは記憶力や集中力維持にも効果がある

★     テストステロンは筋トレをすることでも分泌される

★     テストステロンを増やすには、大腿筋など大きな筋肉への高負荷で、かつ短時間の集中した筋トレが効果的である

★     テストステロンを増やすにはビタミンDや亜鉛の摂取が必要

★     テストステロンを増やすには質の高い睡眠が必要である

★     テストステロンを増やすにはアルコールもほどほどに

筋トレは、年齢とともに減少するテストステロンを復活させ、肉体面はもちろん、精神面も充実させてくれる、まさに人生のベストパートナーですね。

筋トレと筋肉痛、そして超回復。

憧れのマッスルボディを手に入れるためには、筋トレとプロテインは欠かせないものであるということはこれまで述べてきました。

そして筋トレに取り組めば取り組むほど、向き合わなければならないコト、避けては通れないコトがあります。

それは、筋肉痛です。

マッスルボディを手に入れるのに避けては通れないものであるならば、上手に付き合うことが必要だと思います。

そして、筋肉痛の後にやってくるのが「超回復」といわれる筋肉組織の再生現象。この辺を理解し、筋トレに向き合うことが重要です。

1、筋肉痛とは

 

筋肉痛になった経験は誰しもお持ちでしょう。

例えば、子供の運動会で張り切って全力疾走してしまって、次の日は全身筋肉痛という経験は皆さんにもあると思います。

普段運動しない人はもちろん、運動している人でもいつもと違う部位の筋肉を激しく使った場合、筋肉痛になってしまうこともあります。

筋肉痛が発生する原因は、実は諸説があり、まだはっきりコレと断定できていません。

過去、まことしやかに唱えられていたのが「乳酸説」です。運動により疲労物質である乳酸が蓄積され、筋肉痛を誘発する、というものでしたが、研究の結果、運動後は乳酸が減っていることが判明し、この説は消えてしまいました。

現在では、運動によって傷ついた筋繊維が修復される時に起こる痛みであるという説が有力になっています。

普段使わない筋肉を急に使ったり、同じ筋肉を使いすぎた場合、筋繊維や周辺の結合組織に微細な傷が付きます。

その筋組織を修復しようと白血球が集まり、「炎症」が起きます。

その時ブラジキニン、ヒスタミン、セロトニン、プロスタグランジン等の「刺激物質」(発痛物質)が生成され、「筋膜」という筋肉を包んでいる膜を刺激し、それが感覚中枢を介して痛みとして感じる、という説です。

とはいえ、筋肉痛が起こるメカニズムは未だに解明されているわけではありません。ここで紹介した学説は現在もっとも有力視されていますが、今後の研究次第では別の説にとって換わる可能性もあります。

2,超回復とは

筋肉痛になると、カラダは「筋肉をもっと強くしなければならない」と判断し、傷ついた筋組織を更に大きくしようとします。損傷を受けた部位を元の状態に戻すだけでなく、より大きく太くさせる現象を「超回復」といいます。

そして、この筋肉が回復する時に必要なのがタンパク質と、適切な休息なのです。

トレーニングにより「損傷」を受けた筋肉は「回復」するためにタンパク質を欲しがっており、栄養の吸収がとっても良い状態にあります。栄養を吸収する速度は通常の3倍にもなり、筋肉にタンパク質を補給するならこの時がベストタイミングと言っていいでしょう。

いわゆる「ゴールデンタイム」ですね。

トレーニング直後1時間以内の「ゴールデンタイム」にプロテインを摂取することは「超回復」を後押しし、筋肉の増強に絶大な効果を発揮してくれることでしょう。

そしてもっとも大事なのは「適切な休息」です。

超回復は一般的に、トレーニング後48~72時間の休息が効果的とされています。激しいトレーニングをした場合は2~3日のインターバルをおいたほうが良い、とされています。

休息をとらず、48時間よりも短い間隔でトレーニングを行ってしまうと、筋肉が十分に回復する前に再び筋肉が破壊されてしまうため、筋肉が成長しないうえ、疲労が蓄積してパフォーマンスが向上しません。

ただし、逆に休息が長過ぎてしまうと、筋力が元の状態に戻ってしまいます。休息が長くなればなるほど、筋肉はどんどん衰えていくのです。

超回復で筋肉が以前より向上したタイミングで次のトレーニングを行えば、さらにカラダが成長していくというのが超回復理論の考え方です。

もちろん、カラダの成長には個人差があります。また、トレーニングの内容によっても、超回復の理論が当てはまらない場合も考えられるでしょう。

超回復理論の通りきっちり72時間休んでも、筋肉は完全に回復しない場合もあります。

また、加齢によっても超回復時間も伸びていきますので注意が必要です。

女性は男性に比べ、筋肉合成のホルモン分泌が少ないため超回復時間は長めになります。

もちろん効果には個人差がありますので、あくまでも一般的な理論として頭に入れておいてください。

3,超回復を考慮した筋トレ・スケジュールとは

筋肉痛は筋肉がより大きくなっている証拠、というふうにポジティブに捉えると、辛いトレーニングも前向きに取り組めそうですね。

筋トレのスケジュールを考えると、超回復理論から「超回復が起こる48~72時間は休息を取る必要がある」となりますから、トレーニング後に2日間はカラダを休める必要があるということになるでしょう。

「筋トレは週に2~3回が最適」とも言われますが、これも超回復理論を元に考えられたスケジュールです。

とはいえ、本格的にマッスルボディを目指す場合は、トレーニングで負荷をかける部位を細かく分け、鍛える部位を変えれば毎日トレーニングを行うことも可能です。

超回復はトレーニングによって負荷がかかった部位だけに起こります。トレーニングで負荷をかける部位を3日、または4日サイクルで回していけば筋肉の休息も十分取れるし、超回復の効果をしっかりと得ながら、毎日トレーニングできることになります。

4,部位別、超回復時間

筋トレで鍛えることが多い部位の超回復時間を見てみましょう。

◎上半身 

大胸筋・・・48時間

広背筋・・・72時間

上腕二頭筋・・・48時間

上腕三頭筋・・・48時間

◎腹部

腹直筋・・・24時間

腹斜筋・・・24時間

広背筋・・・72時間

脊柱起立筋・・・96時間

◎下半身

大腿筋・・・72時間

大腿四頭筋・・・72時間

ハムストリングス・・・72時間

下腿三頭筋・・・24時間

 

腹直筋や腹斜筋などの腹筋や下腿三頭筋は24時間で超回復しますので毎日鍛えてもOKと言えます。

大胸筋や上腕二頭筋、上腕三頭筋は48時間かかりますので、ベンチプレスやダンベルは1日空けるようにしましょう。

大腿筋や大腿四頭筋、ハムストリングスは72時間かかるので、スクワットなどは2日空ける必要があります。

繰り返しになりますが、超回復時間には年齢や性別など、個人差がありますので無理をせず、カラダへの負担を考えてトレーニングしてください。

5,まとめ

★筋肉痛はトレーニングで傷ついた筋肉が修復されている時に起こる。

★筋肉痛は筋肉がより大きく成長する「超回復」への扉を開く。

★トレーニング後のゴールデンタイムにプロテインを摂取することが「超回復」を後押しする

★「超回復」にとって重要なのは、タンパク質補給と適切な休息

★「超回復時間」を待たずにトレーニングすると逆効果

★「超回復時間」は筋肉の部位により違っている

★したがってタイミングをずらして部位別のトレーニングをすれば効果的に鍛えられる

★「超回復時間」は年齢や性別で違ってくるので要注意。

プロテインの注意点、デメリットを把握しておこう!

20歳から徐々に始まる筋肉の衰退を止め、筋肉を増加させるのに有効な筋トレ。そしてその効果を後押しして、結果を出してくれるプロテイン。筋トレをする人には欠かせないパートナーともいえます。

でも、手放しに讃えてばかりではいけません。ちゃんとデメリットもお伝えしておかなければいけません。

デメリットもちゃんと理解した上で、上手に利用しましょう。

1,       プロテインを飲むと太る?

筋トレをする人がプロテインを飲むと筋肉が成長します。これは事実ですね。

では、運動を何もしない人でもプロテインを摂取すれば筋肉モリモリになれるか?というと、これはあり得ません。

運動も何もしてない人が余計なタンパク質を摂ってしまうと、筋合成に使用されなかった余分なタンパク質は脂肪に変換され、肥満の原因にもなってしまいます。

また、プロテイン自体にもごく少量の糖質や脂質が含まれているため、これらの過剰摂取により太ってしまうことも考えられます。

ここでもう一度、一日のタンパク質必要量(厚生労働省データ)を確認しておきましょう。

運動をしていない普通の成人が一日に必要とするタンパク質量は「体重1kgにつき1g」、

ウォーキングやフィットネスをしている人は「体重1kgにつき1.5g」、

アスリートや筋肉を増強したい人は「体重1kgにつき2g」です。

運動していない人が、アスリートや筋力アップに努めている人と同量のタンパク質を摂取すれば、そりゃ太るよね、というものですね。

ビタミンにしてもプロテインにしても過剰摂取はかえって逆効果です。自分の運動量を見極め、適正な量を摂取していれば太るということはありません。

なお、一日あたりの必要量には食事で摂取するタンパク質量も含まれていますので、タンパク質が豊富な食事をしている場合は、それを差し引いて考えなければならないので注意が必要です。

2,プロテインを飲むと下痢になる?

プロテインのうち、ホエイプロテインとカゼインプロテインは牛乳からつくられた動物性タンパク質パウダーですが、これを飲むと下痢をしやすくなる人は、確かにいます。

これは「乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう)」が原因です。

乳糖不耐症というとなんだか大変な病気と誤解してしまいますが、「乳糖」という牛乳や乳製品に含まれる糖分を消化吸収できない体質のことをいいます。

ホエイプロテインは牛乳からつくられているため乳糖も含まれています。

この体質の人が乳糖を体内に入れてしまうと、消化吸収できずに下痢や腹痛を起こしてしまうのです。

でも、世の中には牛乳や乳製品を食しても下痢や腹痛を起こさない人も存在します。なぜ、平気な人と乳糖不耐症の人とに分かれるのでしょうか?

これは「ラクターゼ」という消化酵素を持っているか否か、の差です。

生まれつきラクターゼを持っている人は牛乳やプロテインを飲んでも平気です。一方、乳糖不耐症の人はラクターゼを持っていませんからお腹を壊してしまうのです。

なお、このラクターゼを持って生まれるか否かは遺伝的要素が大きく、今さらどうにかなるものではありません。

ってことは、牛乳を飲んで下痢をしたことがある人はプロテインを飲めないってことになるの!?と思われるかもしれませんが、ご安心を。

ホエイプロテインにも製法により4つの種類がありますが、そのうちのWPI製法(whey protein isorate)ならば乳糖や脂質を取り除いてつくられるので、乳糖不耐症の人も安心して飲めるプロテインとなります。

また、大豆からつくられるソイプロテインも有力候補になります。

3,プロテインを飲むと肝臓や腎臓の負担になる?

プロテインを飲むと肝臓や腎臓に負担がかかるのでは?という話もよく聞くと思います。

プロテインが肝臓や腎臓に負担をかける可能性がある、というのは以下のメカニズムから来ることなのです。

言うまでもなく、タンパク質はカラダを形成する大切な栄養素です。タンパク質が体内に取り込まれると、いろいろなアミノ酸に分解されますが、そのときアンモニアが発生します。

アンモニアといえば有害物質ですが、アンモニアは血流に乗って肝臓に運ばれ、尿素という無害な物質に変換されます。これを尿素サイクルといいます。

肝臓で生成された尿素は腎臓で尿中に排出され、体外へと排泄されていきます。

この時、プロテインで一度に大量のタンパク質を補給してしまった場合、アミノ酸への分解時に大量のアンモニアが発生することになります。

その量が肝臓の処理能力を超えてしまった場合、大きな負担が肝臓にかかってしまいます。肝臓が疲弊するとカラダが疲れやすくなったり、汗や尿がアンモニア臭くなったりします。

また、肝臓が疲弊すると、腎臓にまで影響が出てきます。

肝臓で処理できなかったアンモニアが腎臓にもたらされた場合、腎臓はアンモニアを尿素へと変換する作業を強いられます。

腎臓は本来の仕事以外にもアンモニアの分解作業も担わされるため、この状態が続くと結果的に疲弊していきます。

腎臓が疲弊すると、カラダがだるく感じ、むくみや頻尿などの症状が出てきます。

体内で一度に処理できるタンパク質量は40gまで、と言われています。それ以上のタンパク質を補給しても無駄になるばかりか、肝臓や腎臓を痛めつける結果になります。

プロテインを補給する場合は一度に大量摂取するのではなく、数回にわけて摂取するようにしてください。

なお、肝臓や腎臓に持病をお持ちの方がプロテインを摂取する場合は、医者へ相談されたほうが無難です。

4,プロテインを飲むと体臭が臭きつくなる?

上記でご説明しましたが、肝臓や腎臓の処理能力を超える大量のタンパク質を体内に入れた場合、アンモニアを尿素に変換しきれず、汗や尿へと排出されてしまうので体臭もきつくなります。

5,まとめ

プロテイン摂取によるデメリットは以下のようにまとめられます。

プロテインを飲むと太る?

<回答>運動していない人が大量に摂取すると太る可能性は高い。

<対応>運動量にあわせ、適正量を摂取すれば問題なし。

 

プロテインを飲むと下痢になる?

<回答>乳糖不耐症の人がホエイ及びカゼインプロテインを飲むとなる場合がある。

<対応>WPI製法のホエイプロテイン、またはソイプロテインならば問題なし。

 

プロテインを飲むと肝臓や腎臓の負担になる?

<回答>肝臓の処理能力を超えるような大量のタンパク質を一気に摂取すると、腎臓とともに負担を掛けることになる。

<対応>一度に大量のプロテインを補給するのではなく、数回に分けて摂取する。

肝臓や腎臓に持病があれば、医師に相談する。

 

プロテインを飲むと体臭が臭くなる?

<回答>肝臓の処理能力を超えるような大量のタンパク質を一気に摂取すると、腎臓とともに負担を掛け、結果的に体臭がきつくなる。

<対応>一度に大量のプロテインを補給するのではなく、数回に分けて摂取する。

 

結論。プロテインを摂取するときは、以下を守ること。

★一度に大量のプロテインを摂取しないこと(40g以下/回)

★運動量にあわせて適正量を摂取すること。

★肝臓や腎臓に持病があれば医師に相談すること。